みずりゅの自由帳

主に参加したイベントやソフトウェア技術/開発について記録しています

「スーパー定時」という名前の付箋紙

先日参加した「Tech-on Meetup#3」で、楽天の及部さんの登壇で「やっていることに名前をつける」のは大事という話をきいた。その後、ふと思い出したことがあったので記録しておこうと思う。

スクラムを使ってアジャイルな開発をしていた時、私たちのチームでは壁を使って物理カンバン(壁に模造紙を貼り、その上に付箋紙を貼ったタスクボード)を使って、各メンバのタスクを見える化していた。そして、作業開始時の朝会と定時直前の夕会で、やること/やったこと、困ったこと等を共有していた。

そんな中で、直接のタスクとは関係ない、付箋紙が数枚存在していた。それが、タイトルにもある「スーパー定時」という名の付箋紙である。これらの付箋紙は複数枚が用意されていた。

これは何なのか。

 

 

なんてことはない。ただの「宣言」用途である。

スーパー定時」は「今日は(絶対に)定時で帰ります」を宣言する。

そのためだけに用意されたものである。

 

しかし、これは意外と効果があった。

 

まず、朝会で「本日やること」を話す際に、一緒にこの「スーパ定時」の付箋紙も一緒に自分の担当欄に配置する。すると、今日は「その人は定時に帰る」という意識をチームメンバ全員に持たせることができる。

するとどうなるか。その人がボトルネックにならないように、チームが意識して動いていたのである。聞かないと困ることや相談事は先に聞いておく、もしくは、一緒にやらないといけないことの優先度を変更する、などを行ったのだ。

 

また、夕会までの間に宣言した人が「スーパー定時」の付箋紙を剥がそうとする/剥がしていたとしたら、その理由をヒアリングした。そして、影響の少ないものであれば、「スーパー定時の取消」を取り消した。理由については、何か問題があって進捗に遅れが出そうだから、というものが多かったからだ。

 

そして何より、宣言した本人が「如何にして定時に帰れるように仕事を終わらせるか」を考えて動いてくれた。

 

定時に帰るんだから「定時」という名前でも良かったのでは、と思われるかもしれない。だが、この特別感を匂わせる命名こそが、自分のみならず他のメンバにも、「この人は定時であがるんだ」、という意識を与えるのに作用していたと思っている。

この名前の提案者が誰であったかは忘れてしまった。しかし、実に良い命名をしてくれたと今も感謝している。

 

 余談:

「Teck-on Meetup#3」および及部さんの登壇スライドは以下である。 

techplay.jp

 

 

また、参加レポートも書いたので、あわせてリンクを載せておく。

mzryuka.hatenablog.jp