みずりゅの自由帳

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「挫折論への招待(寄稿者特典によるサンプル先読み)」の感想エントリ

ネタバレはしてない・・・つもりです。

技術書典6に出版予定の「挫折論への招待」(著:Growthfaction)について、無料サンプルを戴きました。付録「みんなの挫折論」への寄稿者特典です。

応援の意味も込めて、感想エントリを書いときます。

ちなみに、Growthfactionさんの配置位置は「さ03」だそうです。いわゆる壁サークルってやつですね。一部では中ボスとも言われています。

techbookfest.org

 

 

さて、本題です。

章タイトルは、技術書典6のサークル詳細に載っていた目次からつけています。

 

第1章 : 挫折が人生の不確実性を減らす - ゆのん氏

プレイヤーとリード役との間で生じる不協和。これまで何事も卒なくこなせてきた自身に訪れた、目を瞑りたくなる現実。そして、数日に及ぶ葛藤の末にたどり着いた境地。

RSGT2019でも登壇した、認知度抜群の株式会社アカツキのVPoEゆのん氏の語る挫折が読める。

 

第2章 : 挫折回避論への招待 - KANE氏

挫折をどのように考えるか、どういう状況で挫折を感じるようになるのか、そして挫折を回避する方法は。これらの点が、就職活動/転職活動を題材として語られている。Podcasterとして自他ともに認知されているKANE氏の挫折が声を文章に変換して書かれている。

 

第3章 : 挫折認知論への招待 - てぃーびー氏

認知と言う観点から語られている。挫折を「人の感情により生じる」ものとして捉え、どのようにして「誤った認知」を正したのか。月300時間の労働/七次請負を中心とした、著者自身が味わった挫折経験をもとに語っている。考える概念である、てぃーびー氏の挫折は暗くそして切ない。しかし、垂らされた蜘蛛の糸は決して切れず、それを登った彼は高みに近付く。

 

第4章 : 「理不尽な人生を愛するために知っ ておくべき 10 のこと」 - ヨコヤマ リョウ氏

臆病な自尊心と尊大な羞恥心。小説「山月記」の主人公と自分をあてはめ、ご自身の人生最大の挫折を語る。逃げてばかりの人生を変えた出来事とは何か。Growthfaction新メンバのヨコヤマ氏が、挫折に打ち克つ10の価値観を話す。

 

第5章 : 未來論への招待 - VTRyo氏

それは、社会人エンジニア1年目の貴方が歩んだかもしれない物語。笑いの絶えない彼女から笑顔が消えた。窓のない部屋、見知らぬ白い天井、会話をしてくれなくなったトモダチ。そんな彼女に訪れた1つの出会い。寄稿者達へのインタビュー内容と著者VTRyo氏の体験談を交えたストーリーの結末は如何に。今なら、特別付録「ミトミク極秘メモ」もついてるよ。

 

付録A : 特別掲載: 広木の挫折論

エンジニアリング組織論への招待」の著者である広木大地氏の書かれた、ご自身の挫折についてのコラム。口から出てくるその言葉に、多くのエンジニアが頷き、感心し、そして感銘を受けるという広木氏。そんな彼でも挫折を経験しているという。だが、その挫折があったからこそ、今の広木氏が現存しているのではないだろうか。

 

付録B : みんなの挫折論

有名/無名を問わず、総勢24名の挫折話が載っています。部活/受験/中退/イベント/新規事業/他者に感じた絶対的な力量差/プロジェクト崩壊/出世/病気そして最愛の人。

挫折に遭遇しない人間などいない」と感じさせる内容です。


総評:

挫折と言うキーワードからネガティブな印象を持たれがちです。また、これはエッセイでもあり、技術と言えるのかと言う言葉も聞きます。これは個々人の受け取り方なので、なんとも言えないのかなと。
しかし、自分が読んだ感想としてはノウハウや対処方法が書かれているので充分に技術書と言えるのではないかと思っています。

心理的安全性について説いてる「エンジニアリング組織論への招待」、これは技術書と言われています。また、「プログラマが知るべき97のこと」もエッセイ集ではあるものの、これは技術書かと言われれば、首を縦にふる人も多いのではないでしょうか。

 

本書は「挫折」と言う人間が感じてしまう心理状態に対して、どのように考えるか、向かい合うか、解消していったか、といった知見がつまった内容となっています。
この書籍を手に取る人の大半は、大なり小なりで挫折をしてきた方々だと思います。そんな人が周りにこの本の内容を広めて、挫折に対しての障壁を取り除いてくれると優しい世界が広がっていくと考えます。

著者/寄稿者は、読者に自分達と同じような道を歩まないで欲しい。
そんな想いの詰まった一冊だと思います。