みずりゅの自由帳

主に参加したイベントやソフトウェア技術/開発について記録しています

July Tech Festa 2020にオンライン参加した

2020/07/25、オンライン開催された『July Tech Festa 2020』(以降、「JTF」)に参加しました。
備忘として、簡単な参加レポートを書いておきます。

techfesta.connpass.com

jtf2020.peatix.com


今回のJTFのテーマは「Extend Your Engineering Life!」とのことでした。
また、JTFのオンライン開催は初とのこと。
そのことも関係しているのか、JTFの参加チケットについては原則「無料」でした。一方で、1,000円で購入する「応援チケット」もありました。私はまさに応援の意味で「応援チケット」を購入しました。

参加したセッションは、以下の通りです。

  • D1: Kubernetes、第一歩のその後に ~基盤を支えるOSSとの関わり方~
  • C2: エンジニアなら誰でも配信を
  • F3: バックエンドエンジニアの私がお勧めするSPAフロントエンド開発環境
  • C4: 凡人エンジニアの生存戦略
  • B5: 技術同人誌の執筆で得たStand Alone Complexなチーム
  • A6: 実践モブプログラミング


これに加えて、昼休憩の時間を利用して、YouTube Liveのアーカイブ経由で以下のセッションも視聴しました。

  • G3: 誰かの Engineering Life を Extend する」を仕事にした話
  • C3: 間隙を縫って現場と自分を Extend していく流浪人スタイル

参加セッションの内容を簡単にふりかえりしておきます。

D1: Kubernetes、第一歩のその後に ~基盤を支えるOSSとの関わり方~ / 太田 航平 (inductor) さん

Kubernetes、第一歩のその後に ~基盤を支えるOSSとの関わり方~ / Kubernetes 201: Let’s get involved with the community! - Speaker Deck



QiitaでKubernetes系の記事を書いて高評価を得られているinductorさんのセッションに参加。
Dockerは業務で少しだけ利用する、Kubernetesについては概要しかわからん、な状態であったので少しでも知見を得られれば、と視聴。
KubernetesアーキテクチャーやSIGsについての解説をしてくれていました。

なお、Kubernetesを理解するには、やはり実際に触ってみるのが一番とのこと。
やっぱり最初は「公式のチュートリアルをやれ」になるんですね。



C2: エンジニアなら誰でも配信を / 田中 司恩 さん

エンジニアなら誰でも配信を/Serial experiments live. - Speaker Deck

田中氏はもともと音楽を専攻しており、プライベートでも動画配信をされていたとのこと。
そんな中、世の中が新型コロナの影響でオンライン化(オンラインイベントの増加*1)が進んできたことに伴い、今回のセッションにもつながったと。

なお、ライブ配信するメリットは以下の3点。

  • ブログに書けないような操作説明が容易
  • きっちりと文章に落とし込まなくてもゆるく始められる
  • アーカイブに残る

また、先程も書いたが、世の中の情勢はオフラインからオンラインへと移り変わってきている。
そのため、ライブ配信をする技術はオンラインのIT社会における必須スキルとなっていく、という展開。
それは確かになぁーと思った。

ちなみに、現時点で「ライブ配信」するのにオススメのプラットフォームはYouTube Liveとのこと。
これは、チャンネル開設/配信/アーカイブのすべてが無料なのに加えて、利用実績と情報が多数あるから、とのこと。

ただし、あくまで「現時点で」ということらしい。
時代が過ぎ、別のもっと優れたプラットフォームが出てくるかもしれないから、とのこと。

動画配信はあまり興味はなかったが、セッションを聴いてて"たしなみ"として知っておいたほうが良いのかしら、という気持ちにさせられた。

F3: バックエンドエンジニアの私がお勧めするSPAフロントエンド開発環境 / 渡辺 一宏 さん

バックエンドエンジニアの私がお勧めする SPAフロントエンド開発環境 - Speaker Deck

「Ansible徹底入門」の著者の一人でもあり、Podcast「hbSAKABA」でパーソナリティもされている渡辺さんのセッション。
持っていた書籍の著者の方と知ると、どうも緊張してしまう。

自分は、あまりフロントエンドには触れてきていなかったので、タイトルに惹かれてセッションに参加した。
最近のフロントエンドは情報量も多く、キャッチアップするのも大変。そもそも、何をキャッチアップしていけば良いの、という感じ。そんな考えになってしまう人向けに、渡辺さんが実施した内容を展開してくれた。

また、まとめとしてフロントエンドはまだどんどん進化しているけど、過去のごった煮感は薄れてきているとのこと。
加えて、キャッチアップする情報量も多いけど、それはバックエンドも同じでしょうとのこと。
確かに。

G3: 誰かの Engineering Life を Extend する」を仕事にした話 / 横地 晃さん

www.slideshare.net

リアルタイムで見れなかったので、昼休憩時にアーカイブでセッションを視聴。

エンジニアリングメンター(一歩踏み出そうとするエンジニアの相談役)を実施してわかったことを紹介してくれた。

わかったことの一つに、「1対多」の関係の中で一方的に話をしていても進まないことが多かった、というのがあった。
これは、いろんな考えの人がいるので都度対応を変えないと相手に響かなかったり、そのためには(相互の)会話が必要であるとのこと。

そのため、1対多から1対1の関係で、エンジニアリングメンターを実施していったとのこと。
しかし、そこでもやはり色々と問題が出てきたとのこと。
自分の琴線に触れたのは、以下の2点。

  • アウトプットを自分でいきなりハードル高くしがち→自分用のメモから始めてもいいんだといって諭した
  • 技術は仕事だけのものという考えを持っていた(プライベートでアウトプットしようとは思わなかった)→趣味で勉強してもいいんだよ、というのを伝えた

それと、セッションのまとめとして、Extendしたい人に対しては以下をすると良いとのこと。

  • 知るには→対話する
  • Extendするには→小さな成功体験を大切にする

最後に。
多くの人が反応していたのだが、「気にかける」は伝わらない、というフレーズが印象的だった。

おまけ:「趣味で勉強しても良い」について、横地さんから補足がありました。



C3: 間隙を縫って現場と自分を Extend していく流浪人スタイル / 曽我 央 (sogaoh)さん

※資料はSpeakerDeckの方を載せています。なお、JTF2020時のオリジナルの資料はGitPitchで記述されていました。リンクを載せておきます。
間隙を縫って現場と自分を Extend していく流浪人スタイル


こちらも、リアルタイムで見れなかったので、昼休憩時にアーカイブでセッションを視聴。
2019年からフリーランスに転向した曽我 央さんのセッション。

「流浪人」のイメージは「るろうに剣心」とのこと。
時代が流れていくにつれて、様々な変わり目を見てきたということで、どのような点で間隙を縫っていくことで今後も(エンジニアとして)生き残っていけるのかを発表してくださいました。




C4: 凡人エンジニアの生存戦略 / 髙市 智章 さん

【JTF2020】凡人エンジニアの生存戦略 - Speaker Deck

新人時代につよつよな人たちを見てきてこんな世界でやっていけるのだろうかと不安になった、から始まったセッション。
数年を経て現状をふりかえると、以前ほど悲観しなくなった、とのこと。

余談だが、自分から見たら、ソフトバンク社に入社できたなら十分優秀なのでは? と少し僻みが入ってしまった(笑)まぁ、凡人の中でもレベル差はあるということか。

プログラミングが好きでもないし、努力するのも苦痛。何より、雇用主にいらないと言われてしまったら、と不安であった。
しかし、その状態を変えてくれるヒントになったのが、まつもとゆきひろさんの「プログラマー勉強方法」であったとのこと。
ヒントの内容としては、以下の二つの言葉。

  • 知名度とその人の価値は可換である。(人は知らない人を尊敬しない)
  • アウトプットを行うことで周りとの差別化ができる

このヒントきっかけにして、「Done is better than perfect」「定期的にふりかえりを行う」を経て、さらに「人間の特性を知る」ことで、不安を乗り越えていったとのこと。


個人的には、今回参加したセッションの中で、このセッションが一番心に響いたかな。
一番ささった内容は、「目標を限りなく小さくする。「XXXを1分やる」」かなぁ。

B5: 技術同人誌の執筆で得たStand Alone Complexなチーム / おやかた さん

July tech festa 2020 B5 - Speaker Deck

毎度おなじみの「妖怪 本書いてけ」こと、おやかたさんのセッション。
技術同人誌の合同誌を通じて得られた「スタンドアロンコンプレックス」について発表されていました。
自分も親方プロジェクトさんの合同誌に寄稿したことがあるので、合同誌に参加された方々が各人独立して行動していたというのは身をもって知っています。(が、これはセッションでは伝わりづらかったかなぁ、とは思いました)

余談ですが、スライドの9ページには、私も著者の一人としてアイコンが載っていました。いえい。

あと、Twitterでも呟いたのですが、技術同人誌についての需要が高まるからと「技術同人誌を書こう」を発行したのは、先見の明があるよなぁ、と。

また、よくある「自分には書くネタがない」ってセリフをよく聞きんだけど、多分全くそんなことはないと思っています。
類似したものはあったとしても、全く同じ体験というのはないので、十分ネタになると思います。

ちなみに、自分も合同誌への寄稿から、自分のサークルを作って単著の技術同人誌を書いて、結果として技術同人誌を底本とした商業誌を出版するに至りました。
そういった点では、技術同人誌をはじめとした「アウトプットがオススメ」というのは、自信をもって言えますね。

A6: 実践モブプログラミング / 佐々木 俊介 (erukiti) さん

実践モブプログラミング/ mob programming practice - Speaker Deck

JavaScriptの同人誌で有名なerukitiさんこと佐々木さんのセッション。
資料の合間に飯テロ画像(ラーメン、うどん、Lチキ)を散りばめて、実際にモブプログラミング(以降、モブプロ)をして得られた知見についての発表でした。

モブプロ文化がなかった会社にモブプロを導入できたのはすごいですね。会社(の管理職や経営陣?)側も、そのメリットを理解できたということだったのでしょうか。営業にもモブを取り込んでみよう、という話になったのは、単純にすごいと思いました。

なぜモブプロをするのか、の問い対しては、"チーム全体の効率を評価する"フロー効率が良いから。
一人で作って早くできるけどその情報(設計意図や各種開発ノウハウ)が共有化されない状態よりも、少し時間はかかるけれどもチーム全員で同じ情報を共有しあって実施する方が、最終的に得られるものが多いというのは確かに、と思う。

ただし、モブプロで効果が出るのはメンバー次第、とのこと。
これは、モブプロがコミュニケーションを主体とした手法であるから、ということだそうです。

また、モブプロをうまく実施する時のテクニカル面でのコツとしては、「linterやformatterを導入しよう」というのがある。
理由として、フォーマットなんかは個人の好み/こだわりが出る*2から。
そこで何度も議論するくらいなら、最初からルール化して、そのルールに従っていく方が良いということですね。
本来議論すべきは、「プロダクションをどのように作るか」や「ノウハウの共有」ですから。

それと、これは良いなと思ったのが、質問があるかどうかの聴き方。
「質問がありますか?」よりも「ちょっと駆け足だったかもしれません。ここで、他の皆さんに共有してあげたい疑問はありませんか?」という聞き方。
「流れを止めては悪い」という気遣い?を「他の人の知見のためにも」という点に置き換えることで、発言をしやすくしているのでしょうね。もしくは、遠慮して聞けていないな、と思われる人がいた時の救済処置としても効果的ではありますね。


余談ですが、Next.js+Hasuraの技術同人誌を技術書典9に向けて執筆されているとのこと。
Hasuraに興味をもっているので、かなり楽しみです。

hasura.io

おまけ:それ以外のセッションの資料について

tatematsu_san (@tk4jj)さんが、JTF2020の資料リンク集を作成してくださっています。
素晴らしい!!

tenko.hatenablog.jp

まとめ

JTFは、インフラエンジニアのための祭典、という位置付けです。
私はインフラエンジニアではないですが、インフラ技術にも興味もあるし、ITエンジニアをしているとインフラの知見も必要になるという考えもあったので、数年前からJTFには参加していました。

しかし、今年はこどもが生まれたため、JTFへの参加はできないと考えていました。
ですが、幸いなことに今回はオンライン開催ということで、なんとか参加することができました。

参加レポートを書くまでがJTF」ということでしたので書きました。
日をまたいでしまいましたが、これにて今年のJTF2020への参加は完了です。

*1:connpassのオンラインイベントの数は、数ヶ月で60から917と15倍になった

*2:if文のすぐ後ろにカッコ派 v.s. if文の下にカッコ派、とかかな?