みずりゅの自由帳

主に参加したイベントやソフトウェア技術/開発について記録しています

Tech-on MeetUp#03「Agile for Developers ~やってみよう!お作法だけじゃないアジャイルレシピ~」に参加した。

2018年11月12日に、Tech-on MeetUp#03「Agile for Developers ~やってみよう!お作法だけじゃないアジャイルレシピ~」に参加してきた。

その内容を簡単にまとめておく。

自分は現在「派遣契約で客先常駐+保守」な日々を送っている。しかし、4−5年前に行ったアジャイルな開発が忘れられずにいる。それもあり、リハビリも兼ねてアジャイル系のイベントには定期的に参加するようにしていた。本イベントの参加もリハビリの一種であったが、懇親会に参加して登壇者と話もできたことで随分と「治療」ができたかなと思っている。

なお、イベント名に「レシピ」が含まれているため、登壇者の好きな「料理」が紹介されると言うお茶目イベントも発生していた。レシピについて熱弁していた司会のお姉さんが微笑ましかった。

 

techplay.jp

 

 

開始前:

気合いが入りすぎていたのか、受付開始早々に会場入りしました。一般参加者一番乗りの勢いだったのですが、開始直前までは席が埋まっていない時間が続いていました。時間を間違ったのではないかと思うくらいに。

 

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もっとも、開始直前には大体の席は埋まっていました。いつの間にって感じでした。

 

講演1:やっとむさん

好きな料理:豚の角煮

speakerdeck.com

最初の登壇者、やっとむさん。

「フィクション」と断りが入っていますが、生々しいフィクションです。

キーワードとしては、以下がありました。

  • 自動テストは、ゼロよりもあるだけマシ
  • 上司の挙げた「カバレッジ100%」は、都合の良いように解釈して扱おう。彼らは細かい点まではわからない。
  • テストは「自分のため」に用意。安心して他者に提供できるように。
  • 「テスト自動化の余裕は無い」は、意識しないとずっと無いまま。余裕がなくても自動テストを組み込もう。後からの方がもっと辛い。
  • リスクの大きいところのテストを書く。

印象的な言葉に、「テストも技術的負債になる」がありました。テストをたくさん書けば良いってものではないですからね。
また、内部品質は自分達で決める、というのも印象的です。大きな組織になると、「品質部隊」などチーム外の人たちが関わることもあるので、そこは工夫が必要に感じました。

 

講演2:iwashiさん

好きな料理:(奥さんの作った)唐揚げ

www.slideshare.net

 子育てで忙しく、参加も奥さんの許可が必要だったそうです。「奥さんの作った」がついているのも、その名残ですね。

内容としては、SkyWayの開発チームは何故「チーム評価」が抜群に高い、すなわち「最高」だったか、という点について語ってくださいました。

気になったキーワードを列挙します。

  • スクラムのツールには「Taiga」を利用している。
  • メンバはリモートで開発。これが前提なので、KPTGoogleスライドを利用している。
  • KPTの内容がマンネリ化すると、「レトロスティクティブを改善するTry」が出てくる。
  • 技術は「その道の強い人(別名:スタンド)」を呼んで教えてもらう。

  • スクラムを効果的に運用するために「心理的安全性」を高める。そのために、「チームビルディング合宿」を開催。
  • 合宿では「性格診断テスト」を行って、メンバの「人となり」を知る。また、「半年、一年後に何がやりたいのか?なぜか?」「転職したいか?」の問いを行い、モチベーションや方向性を確認した。
  • 「転職したいか?」の問いにYesと答えは人は実際に転職していったが、それは構わない。
  • 心理的安全性を獲得することは、ニワタマ(鶏と卵)である。

 

  • こんなことが出来たのは、権限を持つ上司/上長を巻き込めたから。
  • 「意識が低いメンバ」については、意識のあるメンバ交替してもらった。
  • この辺りの具体的な方法については、「fukabori.fm」のep.10で聴ける。

fukabori.fm

「 fukabori.fmで聴いている通りのマシンガントークだ」というのが第一印象。次に話がどんどん深掘りされていくなーというのが第二印象でした。

最後の方に出てきた「今転職したいか?」は、なかなかに切り込んだ質問。でも、それぐらいに踏み込んでいくことが、心理的安全性を高めるのには必要なのかな、とも思える。

また、少し意外だったのは、このようなメンバ間でもSlack上で意見がぶつかって収束しないということがあるらしいとのこと。こういう時は、合宿のアンカンファレンス時に直接討論させるそうです。

 

講演3:佐野 友則さん

好きな料理:カルボナーラ

 

登壇内容は、「モブプロを導入してみた話」です。

※ 資料のアップが確認されたらリンクを貼ります。

 

KDDIという大企業の中で、特性の違う2チームでモブプロを導入してみて得られた知見の話をしていただけました。

なお、「モブプログラミング」については、後述の及部さんへ丸投げでした。

印象的だった点は3点。

  1. 技術的格差がある場合には、先生役と生徒役がはっきりと分かれてしまう点
  2. 全員で作業をすることに慣れると、全員が揃っていないと保留してしまう点
  3. モブプロは、形成期である程度の成功体験が必要と言う点

1番目はそれが技術継承に繋がるとは思っているものの、先生役になってしまう側のモチベーションは確かに気になるところではある。

2番目については、逆に「そんなことあるんだ」と思ってしまった。が、欠けている人がいる事による伝達コストなどを考えると、時間に余裕があるならそう言う対応も発生しうるのかと思えた。自分はそうしようとは思わないけど。

3番目については、確かになと感じた。実際、モブプロを成功させる要因って楽しさと成功体験にあると感じている。そのためには、やはり最初の「形成期」が非常に重要なんだろうな、と。

ちなみに、「タックマンモデル」と言う言葉はここで初めて知った。

なお、佐野さんのチームとしては、最終的には「準備期間:モブプロ、1day模擬案件」→「お客様案件:ペアプロorソロ、1weekスプリント」→「準備期間:モブプロ、1day模擬案件」というようなスタイルになった様子です。

 

それと、一番言いたいこととして以下が挙げられていました。

チームを勝手に解散させるのはやめましょう

うーん、なんとも難しい。チームメンバとしてはわかりみですけどね。経営とかそこら辺が絡むと一概に、、、ってのがありますね。そこは、上司の方々の度量によるものが大きいのかな。

 

講演4:TAKAKING22さん

好きな料理:(全てをつめこんだ)カレー

 

speakerdeck.com

会場が暖かいとは言え、11月も半ばだと言うのにハーフパンツとTシャツ姿で登壇された「TAKAKING22」さんこと、楽天の及部さん。今回は「モブプロ」ではなくアジャイルを超えた「アジャイル」について話をしてくれました。

及部さんのセッションでは、気になったキーワードはTiwtterに呟いていましたので、そちらを列挙しておきます。

  

とても熱い講演をしてくれた及部さん。ちなみに、モブプロについては、佐野さんに丸投げしていました(笑)

また、呟かなかったのですが、二つ気になるキーワードもありました。

一つは、「研修する側が受けたい研修を作る」でした。非エンジニアに対してもプログラミング研修を行うことになったそうですが、先述のポリシーで研修内容を作ったところ、大きな成果(受講生がプラクティスを使いこなす)に繋がったそうです。

もう一つは「自分達のやってきた事に名前をつける」です。そうすることで具体的/客観的に見れるようになるし、頭にも残るみたいです。海外ではちょっとしたことにでも名前をつけるのだそうですが、日本ではやらないらしい。名前重要。

 

懇親会:

強者のオーラに圧倒されたり、時間帯が遅くなると言うこともあって、普段は懇親会には参加しないことが多い。

しかし、今回はお気に入りのPodcastfukabori.fm」のパーソナリティのiwashiさんと、複数のPodcast(fukabori.fm、omoiyari.fm、しがないラジオ、アジャイルラジオ等)でモブプロの話を聴いたTAKAKING22さんとお話してみたい、と言う想いもあって懇親会に参加してみた。

 

結果として、

 と言う結果になったので、参加して本当に良かった思えた。

 

最初のテーブルではやっとむさんと自動テストのお話ができた。多すぎるテスト項目への対応を相談した際、「有益でないテスト項目を減らす」と言うアドバイスを頂いた。一度作ったテスト項目を捨てるのは勇気がいるが、負荷が高すぎてテストを未実施にするくらいなら、実施項目を見直したらどうかと言うことらしい。もちろん、リソースに余裕があるなら、分散させてパラレルで動かす、と言う話も出た。

 

次に、及部さんの所に伺い、モブプロのお話をした。ただ、どうしても最初に「ハゲチャビン」のお話を聴いておきたくて、挨拶も早々にこれをお聴きした。ハゲチャビンは「ある特定の人」を指しているわけではなく、チャチャを入れてくるような人のメタファーとのこと。話に出てくる頻度から、特定の人かと思ったんだけどなぁ。

また、自社の短期インターンにモブプロを提案して採用されたのですが、そのきっかけは及部さんのモブプロの話を聴いていたのが関係していました。と言うわけで、その点についてお礼を言うことができました。

 

最後に、iwashiさんともお話ができた。登壇中に話されていた「意識が低いメンバの交替の方法」についてもお聞きしてみた。これは、上司の上司など、それなりの「力」がある方に相談してメンバ変更をしてもらったらしい。ではなぜそれが成り立つかといえば、曰く「信頼貯金」であるとのこと。細かい中身はわかっていなくても「こいつらが言っているなら正しい、そして成功するだろう」と思われていることが大事であるとのこと。さぞ技術に精通した上司なのかと思ったのですが、どうやら技術のことはそんなに知らないであろうとのこと。うーん、そっちの方が敷居が高い。

 

おまけ:

イベントで会った際にはご挨拶をする「@taskforce_Hisui」さん(以降、たすくさんと記述)も懇親会に参加されていた。

最初は一緒のテーブルだったのですが、私が他のテーブルに移動した後で「」さんと遭遇されていた様子。なんとも羨ましい。私も仏教の話を生で聴いてみたかった。

 

 

また、懇親会の終わり頃に、たすくさんと二人で及部さんの近くに居た。たすくさんがこれから仕事でモブプロをする予定って聞いていたので、他の人と話していた及部さんの会話が途切れた瞬間を狙って、「この人、これからモブプロ始めるらしいんですよ」と及部さんに話を振ってみた。結果、及部さんも親身に話をしてくれようで、とても参考になった様子。これから始める人には是非とも輝いてほしい。

 

 

taskforcehisui.qrunch.io