先日、知人から「よなよなエールがお世話になります」と言う書籍を借りました。カテゴリーとしては、経営戦略やチームビルディングにあたります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01DTX9IPW
ちなみに、この書籍の著者である井手直之氏は、先日のRSGT2019でクロージング基調講演をされています。そちらの基調講演の内容については、クリエーションライン株式会社さんのブログにまとめられていたので、併せてリンクを貼っておきます。
「みずりゅさんなら興味あるでしょ」と言われました。ハイ、興味ありますよー。
んで、読み終わったので知人に返却するのですが、せっかくなので簡単にメモでも残しておこうかなと思いました。
しかし、「書評」と言う形式で書くには自分には少し敷居が高いと思いました。なので、書籍中から気になったキーワードを抜粋して軽く感想を書く、という方式で記録しておきます。
- プロローグ
- 第2章:ファンは100人に一人でもいい
- 第6章:スキルは挑戦しながら身につければいい
- 第7章:リーダーの不満は自分を映した鏡
- 第8章:早ければ早いほど、最高のチームができる
- 第9章:僕らの働き方を変えたらファンも販売店もチームになった
- エピローグ
- 読み終わった所感
以下、章ごとに分けて書いています。
プロローグ
美しくあれと願ってデザインされた缶。適切な温度管理によって酵母が働き、発酵したビール。やっと注がれ泡立ったと思ったら、そこはグラスではなく、排水溝だったのです。
ビールをシステムに置き換えると、非常にデジャブがおこりますね。色々とお客さんに提案して自分達なりに工夫もしたんだけど、お客さんの諸事情によりお蔵入り。。。開発で培ったことは経験になっているので良いけれども、「世に出してあげられなくてごめんね」なんて感慨にも浸ったことがあります。
第2章:ファンは100人に一人でもいい
新たに市場に加わった人間が、すでにできあがっている「市場のルール」に縛られ、今のルールのなかで戦っても勝てるはずがないのです。
これはまんまそうですね。とは言え、どうやって戦うかってのは局面で違うので、「言うは易し行うは難し」ですが。もっとも、それを行うからこそ、切り込めていけるわけです。
自分の頭で考えず、他人がつくった、本当に正しいかどうかもわからないルールの中で考えていた。
〜(略)〜
「過去はこうだった」に縛られていた。
これは、マナーとかでもよくある話ですね。就活においてノック二回は失礼とかw。
それはさておき、自分の頭で考えてみると言うのは大切ですね。
学校教育で「ひとつの正解」を求められていた世代にとっては、ある意味で「過去はこうだった」は擦り寄りたい正解に見えるのかな、と感じました。ただ、2019年現在においては「正解は一つではない」が一般的な考え方です。なので、過去の事例だけに頼るのではなく、データや推論、行動心理学なども交えて考えていくようにしたい。
第6章:スキルは挑戦しながら身につければいい
父の日にどこでも買えるビールを贈るって、ちょっと違いますよね。やっぱりサプライズがほしい。
ここは単に「あー、めっちゃわかるわー」と共感した箇所w。ほんとそれだけ。
人は興味がある情報にしか心を開かない。人の心って、鍵がかかっていて、外側からは開かないんです。心の扉を開ける鍵穴は、内側にしかない。
自分自身も体験としてわかります。他人にどんなに「これがいいよ」と言われても、届かないんですよねぇ。例えば、「どんな小さなことでもアウトプットしていくと、世界が変わっていくよ」とか。ちなみに、自分の世界が変わったきっかけは以下。
mzryuka.hatenablog.jp自分もこのきっかけがなかったら、多分ここにこうして記事を書いていないと思う。
第7章:リーダーの不満は自分を映した鏡
「そんなことでダメダメ言うから、会社はいつまでも成長できないんですよ」
上から目線な発言になっちゃうかもですが、「やらない理由を探す」にも似ているのかなーと思いました。まぁ、このセリフを言えるかってのは、また別の話ですが。
明確に担当が決まっていればやるんです。でも、誰がやるかが曖昧な担当外の業務は、誰も拾わない。
いわゆる、グレーゾーンですね。システム開発でもあります。特に、複数のベンダが合同で実施する場合なんかだと特に。こう言う時、各ベンダの実務者は割と気がついてたりするんですよね。でも、言わない。なぜなら、「言ったもんの負け」の法則みたいなのを体験しているから。そして、発覚した際に関係者の中で一番権力の弱いところにしわ寄せがいく。。。(涙
もっと言うと、この曖昧な箇所をフォローした人が評価されるような組織・社会にすることでより良い方向に進むってことだと思うんですよね。
でも、この発表は客観的に見すぎている。傍観者だ
ここは少し心がズキっとしました。 自分も昔は傍観者のスタイル(もっと言うと、傍観者になっていようと思っていた)だったからです。「どーせ自分には関係ないし」と斜に構えていた部分もありました。今思い返すと、そうすることで、変に「心が傷つく」のを避けていたんでしょうね。
みんな、口々に不満を言います。「社員がまとまらない」「自ら行動してくれない」「ナンバーツーが育たない」〜(中略)〜
言葉が忘れられません。「わかりました。いっぱい出ますね。でもこれ、みなさんの鏡なんです。今行ったことは、みなさんができてないことを映す鏡だったんですよ。」
ここも「わかるー」でした。あとはこれに「自分があとX人ほしい」 も入れたい。
第8章:早ければ早いほど、最高のチームができる
僕が把握しきれない人数になってしまったら、もうチームづくりはできない。だから少しでも早く、人数が少ないうちに、やっておかなきゃいけないんです!
目が届き対処できる、って点だとやっぱり少人数のうちに何とかするってのが大事だなぁ、と思いました。ドラクエ5のブルーイーター(およびレッドイーター)も、少数のうちなら対処しやすい、ってこれは違うか。
少数のうちに自分と同じように動ける人を増やしておけば、その人たちに今後のチームを見てもらえますしね。
血は、早く入れ替わった方がいい。痛みも伴いますが、これだけが、いち早くうまくいく秘訣です
ここは、共感したと同時に「そうは言うけどさー」と言う感想も持った。もし自分がやるとしたら、2−3晩くらいは悩むかなぁ。まぁ、自分が「入れ替えられる血」である可能性は十分あるんですけどね。
第9章:僕らの働き方を変えたらファンも販売店もチームになった
ビールについて熱く語ってくださるお客様は「自己確信」を求めています。〜(中略)〜会話の奥には、自分の能力を高め、自分の選択は正しい!という自己確信を求める心理があるはずです。
エンジニアの技術話も、これと同じだよなーと思いました。
僕らは最悪の時期、会社が崩壊寸前になるほど、悪い雰囲気を経験した。だから僕は「チームビルディング」に興味を持って、その必要性を確信し、実践した。
ダイエットの話とかに似ていて、命の危険を感じて初めて本気出してダイエット、みたいなもんですね。書籍とか読んで、「理論では大事」ってのはわかるけど、多分「体験」したことに対しては、弱いんだろうなと。
また、「チームビルディング」に興味を持つ人って、大半はチーム崩壊とかで苦い経験をした人なのかなー、なんて感想を持ってたりする。
サボっているのでなく、やりたくないことは優先順位が落ちてしまうんでしょう。これぞまさに「チームに慣れていない」状態です。
ここはわかりみでした。後回しにすることで、消滅したり誰かが巻き取ったり、ってのを期待しているのかな?
エピローグ
誰かに期待してもダメだ!
まずは、自分が挑戦しなきゃダメだ!
他人や会社に頼る前に、まずは自分がやろう!自分が変わろう!と思うことが大事だったんだ!
先にも軽く触れましたが、「傍観者」を気取るよりも自分で変えていこうと足掻く方が、多分楽しいんだろうなー、と考えられるように最近はなりました。
そんなたいしたことがない僕が、なんでいまの自分になれたかと言えば、その時の実力がどうであれ……私はアイツにできるなら僕もできると思っていました。
「アイツ」には失礼な話ですけどねw
でも、「追いつける」と感じるのと「追いつけない」と感じるのでは、心持ちが変わるのも事実ですよね。
自分は少なくとも現在は「アイツにできるなら僕も」の「アイツ」ポジションなので、未来ある人たちにポンポンと抜かれてもいいかな、とは思っています。そして、それをまた抜き返してやるんだー、とも思っている。
読み終わった所感
「あーなるほど。これは、アジャイルな開発が好きな人には心に響くなぁ」と言うのが全体の感想です。
巨人に立ち向かうためにどのようにして戦うか、うまくまとまらないチームをどのようにしてまとめていくか、固定観念からの脱出、チャレンジ活動、地道な説得作業の繰り返し、などアジャイルな開発を進めていく上で、日の目は浴びないけど大事なことが書かれていると感じました。